「壊す」仕事で業績うなぎ上り! 建設現場に欠かせない「斫り(はつり)」の仕事で職人集団の一員として働く

建設現場に欠かせない仕事「斫り(はつり)」を専門に請け負う勇志工業。代表の押方勇気さんは、10代でこの業界に入り20代半ばで独立、自分の力で道を切り拓いてきました。年々仕事の幅・規模を広げ、業績はうなぎ上り。業界のリアルな話や押方さんにとっての仕事の面白み・大事にしていることを伺いました。

この会社の特徴

●業界歴の長いベテラン社長 ●独立を応援 ●“壊す”のが好きな人歓迎 ●職人仲間と助け合う

勇志工業

地域:昭島市

(記者:まえはら あさよ)

建設現場に欠かせない仕事「斫り(はつり)」を専門に請け負う勇志工業。代表の押方勇気さんは、10代でこの業界に入り20代半ばで独立、自分の力で道を切り拓いてきました。年々仕事の幅・規模を広げ、業績はうなぎ上り。業界のリアルな話や押方さんにとっての仕事の面白み・大事にしていることを伺いました。

企業情報:勇志工業
事業概要:斫り業
住  所:昭島市
代  表:押方勇気

目次

コンクリートを壊す・整える、建設現場に欠かせない「斫り(はつり)」

「斫り(はつり)」とは建設現場でコンクリートを削る・穴を開ける・切る・壊す・整えるといった作業です。一戸建て住宅やマンション、橋や道路など、コンクリートを扱う様々な建設現場で斫りの工程が存在しています。

勇志工業では主に、一戸建て住宅やマンション、公共施設などの建設現場で斫り業に携わっています。新築の場合は、建て始めから完成まで同現場にいることが多く、期間は短い場合は1~2か月程度、大きな現場の場合は2年近くに亘ることもあります。現場の最初から最後まで斫り職人が現場にいるのは、建物本体のみならず外構にもコンクリートが使われるためです。

「鉄筋コンクリート造の建物を作る過程で、コンクリートを木枠に流し込み、固めていくんですが、理想のかたちにピタッてなることって、そんなにないんです。固まるまでに膨らんじゃったりするんですよね。その膨らんだ部分を削り取るのがうちの仕事です。削り取ってそこをまたさらに左官で仕上げるんですけど、無駄な部分をなくす、削り取る仕事なんですね。古い建物の床材を削ることもあります。」

使う道具は「電動ハンマー」・「電動ドリル」・「電動ピック」などです。
「電動ハンマー」はタガネ状の先端工具をピストン運動させて叩く動作をする電動工具です。
コンクリートに穴を開ける際に使われるのが「電動ドリル」です。コンクリート用のドリルを回転させ穴を開けます。
「電動ピック」は打撃を加えて薄いコンクリートの破砕を行うノミの電動版です。
その他に、コンクリートの表面を削る「ディスグラインダー」や、コンクリートを削ったあとに露出する鉄筋を切るための「回転工具」などを使用します。

コンクリートを壊す以外に、フロア全体や階段の床材を剥がす作業も行います。 昨年から解体業も始めました。

きっかけは高校中退「壊すのが好き」を仕事に 20代で独立

勇志工業の代表、押方勇気さんは10代で斫りの仕事に出会い、その後いくつか他の建設の仕事に携わったのち斫り業に戻り20代で起業します。

そこに至るまでの経緯を伺いました。

もともと勉強に面白みが見出せなかった押方さん、高校に入学するも3カ月経過する頃には「やめたい」と思っていました。当時親から言われていたのが「仕事をするなら中退してもよい」というものでした。「今すぐ仕事を見つけるなら学校辞めてもいいって言われて……別に斫りでなくても良かったんですが、求人サイトで募集を見つけてエントリーしました。とりあえず働いてお金がもらえれば、っていう感じで。」

当初は何の気なしに見つけた募集で知った斫りという仕事。

「斫りをやってみて、これ続けられたら楽しいなって、思うようになりました。多分どんな仕事も最初って結構意外と楽しいってことあるんじゃないですか。」

その後、斫り以外の仕事もやってみたくなり、とび職を1年、防水工事の仕事に3年ほど携わります。

20代前半には、建設の仕事の中でも、自身がキャリアをスタートさせた斫りとは違うものに触れてみた押方さんでしたが、結果的に斫りに戻ることになります。

「僕が斫りの仕事で、何に魅力を感じていたかと言うと、やっぱりそもそも壊すこと自体が楽しいと思ってたんですよ。例えば壁1枚壊したりとか、ぶち抜いたりとか、そういうのが結構面白いな、と。きついと言えばきついんですけど、でかいコンクリートの塊がなくなる、自分がこれを壊したんだこれっていうのは、意外と達成感ある。」

他の仕事も体験したことで、やはり自分には斫りの仕事が向いているということを押方さんは実感したのでした。

斫りに戻ることに決めた押方さん。しかしながら、今回はただ一職人として働くだけではなく、独立も視野に入れていました。以前勤めていた会社に戻り、社内でも独立を視野に入れていることを伝え、これまで触れてこなかった知識も叩き込みます。

その後2年の勤務を経て、押方さんは独立への歩みを進め、2017年、勇志工業として独立開業します。
独立当時印象に残っているのはゴミ処理場の拡張工事。とても大きな現場で600人以上の職人が毎日、2年間出入りしていたそうです。

独立後は仕事で繋がった近しい人が元請け業者さんを紹介してくれたり、名刺交換をする機会を作ってくれたり人に恵まれていた押方さん。独立を視野に入れ仕事をしていた期間、周囲の事業者にも伝えていたため、一緒にやろうと言ってくれる仲間が増え、独立後はスムーズにある程度の売り上げを立てられるようになっていたそうです。

現状については、「安定しているとは言い切れないけど……でも、そこそこ安定している」と話してくれました。
現在手がける仕事のほとんどは、改修に伴う床材・屋上の防水材の撤去といったものです。
これから入社する方は、まずは押方さんとともにそのような現場に入り、押方さんから直接道具の使い方などを教わりながら、職人になるべく経験を積んでいくことになります。

安全第一で楽しく仕事をしよう! 危険と隣り合わせだからこそコミュニケーションを大切に

押方さんが仕事をするうえで大切にしていること、それは「安全第一」「楽しく仕事をしよう」というものです。

「ともかく僕らの仕事って“安全第一”、安全が一番気をつけなきゃいけないところなんですよ。例えばとび職さんで言ったら足場から落ちるようなことがあってはいけない。うちの場合は機械で足潰しちゃうっていうようなことがあったらダメです。こんなぶっとくて先が尖った“のみ”、こういう機械でコンクリートを叩いて床を壊すんですよね。まちがって足とかにグサッてやったらもう一撃で足が粉砕されちゃいます」

押方さんの現場ではコンクリートを壊したり、改修に伴い床材を剥がすような作業を行っています。使う道具の破壊力は大きく、それを扱う人間は細心の注意を払わなければなりません。建設関連の仕事の中でも、比較的シビアな現場であると言えるでしょう。だからこそ押方さんは「楽しく仕事をしよう」と言います。

危険と隣り合わせの現場であるがゆえ、風通しの良さが現場の安全を維持することにつながります。困ったときに困ったと言えるかどうか、危ないことがあったらそれを周りに伝えることができるかどうか。

そのために押方さんが心がけているのは一緒に仕事をする相手には経験者であろうが、新人であろうが態度を変えない、ということ。コミュニケーションをきちんと取るというのは仕事以前のことだからです。

また、自社のスタッフとのやり取りだけでなく、同じ現場で働く他の職人さんたちとも交流するよう心がけており、機会があればスタッフを率先して誘うようにしているとのこと。「この仲間って楽しいな、って思ってもらいたいから、取引先の人から飲みの場や、バーベキューなんかにも誘われたら、一緒に行こうぜ、って声をかけますね。仕事に関係する人たちと、仲間作りとして、そういうのはよくやってますね。仕事はもちろん大事で、仕事の部分で楽しいなっていうこともあると思うんですけど、仲間と思える人達と一緒にやってて楽しいっていうのもあると思うんですよね。僕は、プライベートでも集まって楽しくワイワイできるのがいいなと思っています」

志を持って仕事をする 仲間づくりとプロ意識

押方さんに自社の強みを聞いてみました。

「仲間が多いのは強みかなと思っていますね。幅広く仲間がいるっていうのは、周りの人からもよく言われます。同じ業種の人とかからも連絡来て、押方さんだったらこれいけますよね、みたいなことが割とあるんですよ。」

押方さんが長年培ってきた周囲の人たちへの配慮や、仲間意識を大事にしてきたからこそ、信頼できる人脈があるのでしょう。社名に付いている「志」の字は、志を持って仕事をしたいという思いが込められています。

さらに、自身の仕事に対するこだわりとして、斫りは「ただ壊せばいいという訳ではない」と話します。「壊す部分を減らせば、なおす部分も減らしてあげることにつながる。そうすれば僕の次の工程に携わる人にとってもうれしいんですよ。そういうところは心がけてやっています。」

周囲の信頼を得ながら、押方さんのプロ意識が光る仕事ぶりで着々と様々な案件を獲得、こなしている勇志工業、実は売り上げも毎年うなぎ上りです。

今回の求人にあたっては押方さん曰く、「将来的に独立を考えている人も歓迎」とのこと。小さいながらも地元で厚い信頼を獲得する会社で、職人としてのスキルを磨きながら、人脈を築く。勇志工業なら、そんな働き方ができそうです。

勇志工業について従業員さんに聞いてみました

●入社を決めた理由を教えてください。
・前職より給料が良かったことと、性格的に仕上げ作業より壊す作業が性に合っていると思ったからです。

●お仕事は具体的にどんなことをされていますか。
・アスファルト防水層の撤去や長尺の撤去、仮防水、下地調整などのちょっとした仕上げもやっています。

●どんなところにやりがいを感じていますか。
・綺麗に撤去できたときの達成感がものすごいです。また、現場監督をはじめ、周囲から評価してもらったときが、本当に嬉しいです。

●成長を感じたエピソードを教えてください。
・現場では他業種の職人さんと絡むことがよくあり、チームの一員として認められるようになったことです。

●志望を検討している方へ勇志工業のどんなところをおすすめしたいですか。
・一つの作業だけでは無く、色んなことに挑戦したい方。仕事自体は覚え易いので、やる気があれば問題無いと思います。

募集要項

企業名勇志工業
地域昭島市
募集職種斫り職人・解体工
業務内容建築改修工事における斫りや解体工事。各種撤去工事。
応募条件・歓迎スキル未経験歓迎 学歴不問 経験者優遇
求める人物像●やる気がある人 ●体力に自信のある人 ●独立志向の高い人
給与月給 25万円~40万円(※およそ25日出勤)
休日休暇日曜・祝日(※現場により出勤あり)
勤務地・最寄駅【勤務地】現場は東京近郊が多いです 【最寄り駅】昭島駅 ただし自動車通勤も可
勤務時間8:00~17:00(※休憩時間2時間 実働7時間・現場により変動あり)
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