何年も同じ住宅で暮らしていると、いつの間にかできている天井のカビや外壁のひび割れなど…、気になる部分がいくつも出てきます。株式会社YSTでは、長年の経験と確かな技術を持つ職人たちが常駐し、大規模修繕を実施。今回は代表の的場義春さんに熱意と従業員の募集への思いを伺いました。
企業情報:株式会社YST
事業概要:防水工事
住 所:国立市
代表取締役:的場 義春
全国の建物を、半永久的に保つために職人が動く
一般的に、マンションや集合住宅では約10年〜15年に1度のペースで定期メンテナンスを行います。 主に屋上や屋根、ベランダや外壁、水回りなど建物への水の侵入を防ぎ、こまめなメンテナンスによって建物は半永久的に保つと言われています。
株式会社YSTは、平成22年4月に防水工事会社として創業。現在は6名の職人が常駐し、東京に限らず、東北や九州など全国から依頼を受けています。「ご依頼があれば海外でもどこへでも行きます」と勢いのある的場さん。
過去には東日本大震災で傷付いたマンションやアパートの修繕工事を任され、職人たちを連れて震災後の福島県へ足を運びました。
常にスピードを緩めることなく、迅速に対応することで「仕事が早い」と周囲からも頼られ、今では国立市に無くてならない企業へと成長しました。
「工事内容は大規模修繕工事がメインです。建物全体を直しながら、外壁補修工事、シーリング工事、防水工事、塗装工事などを行い、現場の状況によっては、足場の仮設なども請け負います。店舗内装のリフォームなども手掛けていて、スケルトンのおしゃれな建物からカフェの内装、個人宅の和室をフローリングに変えるなど、仕事は多岐に渡ります」
大規模修繕工事は、建築年数や使用用途によって、工事内容も異なるため、適切な工法や材料の選定も重要です。
例えば、一言で「防水」と言ってもその種類は様々で、ウレタン防水、アスファルト防水、塩ビシート防水、FPR防水と4つに分類されています。
的場さんは防水施工1級技能士の資格を取得。専務の西田さんや従業員の方も専門資格を取得していますが、全員が同じ資格を持つわけではなく、ウレタンゴム系塗膜防水工事作業や改質アスファルトシートトーチ工法作業など、それぞれが専門的な分野の資格を持っています。
「防水は覚えることがたくさんありますが、必ず現場で役立てますし、仕事の幅が広がります。入社後はやる気があれば、ある程度の年数と技術が身についた頃に、勉強をして資格取得を目指してもらえたらと思います。講座や受験費用などは弊社で負担しますので、安心してスキルアップを目指してください」
受注先は街の塗装屋や不動産会社、個人のお客様から直接いただく工事が7割、ゼネコンが3割。なんと創業してから一度も営業をせず、口コミや紹介で成り立っているんだそうです。
建設業は対面で人と話すことが多い職業だそう。会話なしでは仕事ができないため、コミュニケーションを取れることも重要なスキルです。
また、身体を動かすだけでなく、頭もフル回転させる職種だと言います。
「材料は、無駄がないように計算して発注しなければなりません。一斗缶一つとっても使う規定量が決まっています。適当に頼んだことで足らなかった・余ってしまった、必要な時に揃えられなかったなど問題が起きないよう緻密に計画を立てています」
“来るもの拒まず、決して見捨てない”。社員は家族のよう
的場さんは1982年生まれ。ご自身のことを質問すると「いや〜、ロクな人生でなかったから」と恥ずかしそうにされました。
高校に入学するも、高1の夏休みを迎える前に中退。いくつかのアルバイトを経験し、18歳で防水工事会社に就職します。
「さすがに、そろそろちゃんとしようと思いましたね。最初はなにもできなくて、怒られてばかり。当時の社長は、ちゃんとしていない若者を良く思っていなくて、お互いに苦手でした」
ところが入社して4年目、ある頃から社長の態度に変化があったそうです。仕事中は相変わらず厳しいことを言われるも、同時に優しさも垣間見えるようになりました。
仕事が終わると的場さんだけに声がかかり、企業関係者の飲み会や忘年会に連れて行かれるようになりました。なぜ、自分だけが呼ばれているのか不思議に思っていたとか。
「ある時、ふと、社長が『将来おまえは独立するぞ、今から俺がやっていることを色々見ておいた方がいい』って言われたんです。そこから関係性が徐々に変わっていきました。時に厳しく、時に優しく、自分を信用して育ててくれました」
株式会社YST専務の西田勇太さんも、当時から的場さんと同じ会社で働いていました。2人は小・中学校の同級生で幼馴染です。 具体的な計画はなくとも、“いつか2人で独立しよう”と夢を描いていたとか。黙っていても、社長は2人の気持ちを読んでいたのでしょう。
「将来、おまえは独立する」その言葉が的場さんの背中を押してもらうきっかけになったと言います。
そして、入社から7年。ついに独立を決意します。
前職の社長とは、今でも良い関係が続いており、兄のような存在と慕う的場さん。今となっては自分が従業員の生活を支える社長であり、父や兄のような立場でいられたらと話していました。
「勝手な話ですけど、僕は従業員を家族だと思っています。特に若い世代に対しては、何かあったら親代わりになるくらいの思いでいます。一緒にそばにいて成長させてあげたい、生きていく上で人と人との繋がりは何より大事にすべきもの。うちで世話する以上、来る者拒まず、最後まで見捨てません」
これまでに、従業員の中でも数人が的場さんの下で働き独立していきました。親身に相談に乗り、うまくいったケースばかりではありませんでしたが、支援する気持ちは変わりません。
時には、従業員から「助けてください」とプライベートな問題にまで呼び出され、一緒に頭を下げに行ったこともあるのだとか。笑いながら話すその姿に、困っている人を放って置けない人柄が伝わってきました。
先頭に立ってやってみる勇気さえあれば、失敗してもいい
株式会社YSTが、法人化する以前は「ワイズテック」という名称の個人事業でした。当時から代表は的場さんで、数人の職人仲間と協力し経営に乗り出しました。
しかし、軌道に乗るまでの道のりは、相当厳しかったと言います。
「独立した最初の頃は、立て続けに元請や協力会社から工事費が入らないことがあるなどトラブルが絶えませんでした。しかし、当然ながら、従業員には給料を支払わなければなりません。今思い出してもあの頃は辛かったですね」
経営者としての未熟さから、足元を見られて悔しい思いをするも諦めず、職人一人ひとりに自信が付いた頃に法人化し、現在の社名に変更しました。
では、従業員は入社後にどのような環境で仕事をしているのでしょうか。
「入社当初はそばで教えますが、慣れ始めてきたら“これ、やってみな”と現場を任せます。もちろん最初から上手くできるとは思っていません。むしろ失敗を経験させてあげたいんです。大体、4〜5回は失敗するのが普通、これ以上はまずいとなれば、職人を交代して最後は完璧に仕上げます。とりあえず、まずはやってみることが大事です」
10代の頃から散々現場で失敗し、反省と実践を繰り返してきた的場さんは新人の気持ちが痛いほどわかります。
今の時代にマッチした教育指導なのかはわからないと話しながらも、自ら経験を積むことで確かな手応えを感じてほしいそうです。
「誰でも、ちょっと仕事ができるようになると、“案外、自分は出来る人間かも”と思ってしまうことがあります。そんな勘違いを避けてほしいので、たくさん失敗して自分でよく考えて、謙虚さも身につけてほしいと思っています」
最終的には職人としてのプライドを持って、どの現場でも納得のいく仕上がりに持っていくこと。一人前への道のりは決して平坦ではないですが、人生の財産になることは間違いありません。
やる気さえあれば、それで良い。一緒に仕事をしましょう
「未経験者でも、一人前の職人として食べていけるよう育てていきます。ただ、年齢的に60代に差し掛かる方ですと、僕らと同じように動くことは厳しいと思います。であれば、現場の掃除や少し軽い物を運んでもらうなど仕事はありますので、心配しないでご応募ください。みんなで成長して、気持ちよく楽しく稼ぎましょう」
人情味の溢れる的場さん、従業員に願うのは会社の評価ではなく、従業員が一職人としてお客様や協力業者から評価をもらえること。
「またあの職人に頼みたい」と指名され、新しい現場に呼んでもらえることがなにより嬉しいことだと、子どもを応援する親のような口調で話す姿が印象的でした。
従業員さんにインタビューしてみました
●入社を決めた理由を教えてください。
YSTで働いていた、友人からの紹介で、未経験者でも大歓迎だから一緒に働こうと勧められたのがきっかけです。
●お仕事は具体的にどんなことをされていますか。
主に外壁修繕工事、防水工事を行なっています。外壁修繕工事とは外壁の下地となる躯体自体の補修を行う工事のことです。経年劣化により、ひびが入ったり躯体が落ちそうになっているところを補修しています。防水工事というのは、屋上やバルコニー、サッシ廻りなどから雨水の侵入を防ぐ工事です。
●どんなところにやりがいを感じていますか。
やりがいは、外壁修繕工事、防水工事は多くの工法があり、それを早い段階で経験させて頂けるので、自分のスキルアップを感じます。経験を重ねて自分の腕を磨き、上手くできなかったことができるようになったりして、施主様からお褒めの言葉や、感謝された時が一番やりがいを感じます。
●成長を感じたエピソードを教えてください。
1つの現場を職長として任されるようになったばかりの時は1日の段取りが上手く組めず、遅くまでやったり、その日に終わらなかったりすることが多くありました。どうしたら上手く行くのかを、先輩達にアドバイスを頂いたり、自分のスキルが上がって行くにつれ、自分で決めたその日の段取りを予定通り終わらせれたり、全体の工期通り施工を完了させれた時に成長を感じました。
●志望を検討している方へYSTのどんなところをおすすめしたいですか。
弊社では、入社してから割と早くから、様々な工法を経験できます。上手く行かなくても、とにかくやってみて、経験を積んでいくことで自分の腕が磨かれると思います。ですので、手に職をつけたい、早く自分の腕を磨きたいって思う方におすすめだと思います。