「梅澤朗広の採用SDGs」第6回目は、「CSVに取り組むうえで明確にしておきたい自社のパーパスについて」をご紹介します!
パーパス経営の重要性と実践
現代の企業経営において、パーパス(Purpose)はますます重要な要素として認識されています。パーパスとは、企業の「最も根本的な存在意義」「究極的な目的」「志」を表すものであり、なぜその企業が存在するのか、どのような社会課題を解決するのかを明確にするものです。この概念は、単なるビジネス戦略や利益を追求する考えを超えて、企業が社会に与える影響を考慮することを求めています。
パーパスの構造
パーパスは、企業のミッション(使命)、ビジョン(将来像)、バリュー(価値観)と密接に関連しています。ミッションは、企業がどのような顧客課題を解決するのかを示し、ビジョンはその企業が目指す理想的な姿を描きます。一方、バリューは、企業が基軸としている価値観や行動指針を示します。これらの要素が一貫していることで、企業はより強固なアイデンティティを持つことができ、ステークホルダー(利害関係者)との信頼関係を築くことが可能となります。
具体的な事例として、以下の企業を挙げます。
株式会社ソニー
パーパス: 「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」
代表的な商品・サービス: PlayStation(ゲーム機)、ウォークマン(ポータブル音楽プレーヤー)、テレビなど。
ソニーは、革新的な技術を通じて人々に感動を提供することを目指しています。
株式会社ネスレ日本
パーパス: 「おいしさと健康を提供する」
代表的な商品・サービス: ネスカフェ(インスタントコーヒー)、キットカット(チョコレート)など。
ネスレは、食品を通じて人々の生活の質を向上させることを重視しています。
株式会社サイバーエージェント
パーパス: 「新しい力とインターネットで日本の閉塞感を打破する」
代表的な商品・サービス: AbemaTV(動画配信サービス)、Amebaブログ(ブログサービス)など。
サイバーエージェントは、インターネットを活用して新たな価値を創造しています。
株式会社三菱UFJフナンシャル・グループ
パーパス: 「世界が進むチカラになる」
代表的な商品・サービス: 銀行業務(預金、融資など)、資産運用サービスなど。
三菱UFJは、金融サービスを通じて持続可能な社会の実現に寄与しています。
パーパス策定のフレームワーク
パーパスを策定するためのフレームワークとして、「IKIGAI(生きがい)」の概念が紹介されています。IKIGAIは、好きなこと、得意なこと、世界が求めること、そして稼げることの交点を見つけ出すことを意味します。このフレームワークを用いることで、企業は自社の存在意義をより具体的に理解し、パーパスを明確化することができます。また、社会的価値と経済的価値の創造を両立させるための戦略的アプローチを見出します。
パーパスの実践と企業戦略
パーパスは単なる周辺的な活動ではなく、企業の「北極星」として位置づけられるべきです。企業は自らの存在意義を問い直し、事業を通じて社会にどのように貢献するのかを明確にする必要があります。これにより、企業はより持続可能な成長を実現することができ、株主や顧客、従業員などのステークホルダーの期待に応えることが可能となります。
企業事例の具体化
キリンホールディングス株式会社やユニリーバ株式会社はそれぞれのパーパスを明確にし、事業戦略に統合しています。
キリンホールディングス株式会社
パーパス: 「おいしさと健康を提供する」
代表的な商品・サービス: ビール(キリン一番搾り)、清涼飲料水(午後の紅茶)など。
キリンは、食品と飲料を通じて人々の健康を支えることを重視しています。
ユニリーバ株式会社
パーパス: 「持続可能な生活をすべての人に提供する」
代表的な商品・サービス: ダヴ(ボディケア製品)、ラックス(シャンプー)など。
ユニリーバは、環境への配慮や社会的責任を果たす製品開発を行っています。
このように、パーパス経営は企業が持続可能な成長を遂げるために重要な要素です。企業は自らの存在意義を見つめ直し、社会に対する責任を果たすための戦略を構築する必要があります。パーパスを中心に据えることで、企業はより強固なブランドを築き、様々なステークホルダーと信頼関係を深めることができます
次は、パーパスを定めて挑む「ビジネスで解決したい社会課題は何ですか?」を皆さんと考えていきたいと思います!
プロフィール
梅澤 朗広
SDGusサポーターズ株式会社 代表取締役
日本JC公認SDGsアンバサダー
FC NossA八王子 アドバイザリーボード
大切にしている価値観:感謝・貢献・共創
野村證券、東京ヴェルディを経て2019年にSDGusサポーターズ株式会社を設立。SDGsの「持続可能な社会の実現」「誰一人とりのこさない」の理念に共感し、企業に対してCSV(共通価値の創造)の観点で事業活動と社会活動の両立に向けた経営サポートをおこなっています。SDGsと自社の活動に対する理解を深めてアクションを考えるワークショップや、様々なパートナーと連携して営業・広報・採用のサポートをおこなっています。
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