「採用定着士」高木厚博の欲しい人材が集まる!中小企業の中途採用成功術 #8

<第8回> 応募者を惹きつけ、見極める採用面接の流れ(毎月第1木曜日に発信)

この会社の特徴

TAMA WORKをご覧の皆さん、こんにちは。採用定着士/社会保険労務士の高木です。

「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションとして、多摩地域を中心とした中小企業のサポートをさせていただいております。

このブログでは「欲しい人材が集まる!中小企業の中途採用成功術」と題して、
「求人を出しても応募が来ない・・・」
「応募はあるけど、いい人材が来ない・・・」
「入社したけど、すぐ辞めてしまった・・・」
といった人材確保にお悩みを持つ中小企業経営者、採用担当者の皆さんに役立つ内容を連載でお届けします。

第7回では「入社したい!と思わせる採用面接のポイント」としてお伝えしました。第8回目の今回は「応募者を惹きつけ、見極める採用面接の流れ」というテーマで、具体的な採用面接の流れについてお伝えします。

はじめに

前回の記事でもお伝えしましたが、面接は単に応募者を見極めるための場ではありません。応募者に「この会社で働きたい!」と思ってもらう「相互理解の場」として活用すべきです。特に優秀な人材ほど複数の企業から内定を受ける可能性が高いため、面接時に自社の魅力を伝え、惹きつけることが重要です。

面接の流れ

応募者を惹きつける面接の具体的な流れをご紹介します。面接官は十分に準備して、面接に臨むようにしましょう。

1.アイスブレイク

面接の冒頭では応募者の緊張を和らげることが重要です。簡単な世間話や気遣いの言葉を交えて、リラックスできる雰囲気を作りましょう。

(例)「今日はお忙しい中ご来社いただきありがとうございます。道は分かりやすかったですか?」「お茶をご自由にどうぞ。リラックスしてお話しくださいね。」

2.面接官の自己紹介

多くの会社は、面接が始まるといきなり応募者に質問を浴びせることが多いですが、緊張しているうえに人間関係がまだできていないので、本音で話してもらうことが難しくなります。まずは面接官から自己紹介をしましょう。面接官が自身の経歴や会社に対する思いを熱意を持って自己開示することで、応募者が本音を話しやすい雰囲気を作ると同時に、面接官自身が会社の魅力を直接伝える場にもなります。

3.会社・職場の説明

応募者に自社や職場の魅力を伝えます。以下の項目をわかりやすく具体的に説明しましょう。明確に伝えることでミスマッチを防ぎます。

❶会社の理念やビジョン

会社が「どこに向かっているのか」「どんなことを成し遂げたいのか」など大切にしている考え方を伝え、会社の方向性を共有します。

❷事業内容や会社の特徴

自社のビジネスモデルや競合との差別化ポイントをわかりやすく説明します。未経験者にも伝わるよう、専門用語は避けましょう。

❸募集職種の説明、仕事内容

1)配属先部署の説明 会社の中でどんな役割を果たす部署なのかを説明します。

2)組織構成 どんな人が働いているかを説明します。マネージャーは何歳でどんな性格か、男女比、年齢層など、チーム構成や職場の雰囲気を説明します。

3)募集背景 なぜ今回募集することになったのか、背景を伝えます。増員の場合は理由も伝えましょう。欠員補充の場合も差し支えない範囲で説明しても良いと思います。

4)仕事内容 具体的な仕事内容を詳細に説明しましょう。例えば、1日の流れを時系列で説明するとイメージしやすくなります。

5)求める経験や人物像 必要なスキルや経験、理想的な人材像を明確に伝えます。

4.応募者の理解度を確認

会社や仕事内容について説明したあと、応募者に質問を促し理解度を確認します。 
「何か気になる点や質問はありますか?」と尋ねることで、応募者の理解力、自社への関心の強さや質問力を知る機会にもなります。

5.応募者が貢献できる点を質問

応募者の経験やスキルが会社や部署にどう貢献できるかを確認します。 
未経験者であればこれまでの社会人経験がどのように募集職種に活かせるか、経験者であれば過去の職務経験で具体的にどのような成果を挙げたかを質問するとよいでしょう。

6.応募者のビジョンや目標を共有

応募者の将来のビジョンや目標について確認します。
「どんなキャリアを目指しているか」「転職を決めた理由」などを尋ねます。
面接官は応募者のビジョンに共感する姿勢を示しましょう。そのうえで、「なぜ、そのように考えるようになったのですか?」などと質問して掘り下げます。
自社がそのビジョンを実現する環境を提供できるかどうかを考えながら、面接を進めます。

7.応募書類の内容を確認

履歴書や職務経歴書をもとに気になる点を確認します。 
たとえば、転職の経緯やブランク期間の理由について質問し、背景を理解することで判断材料にします。圧迫感を与えないよう、柔らかい口調で質問しましょう。

8.ビジョンを共有し、応募者を口説く

面接の最後には、応募者のビジョンと自社の方向性が一致している点を強調します。 
「当社では〇〇さんの△△という目標を実現できる環境があります。一緒にその目標に向かって頑張りましょう!」と熱意を持って伝えましょう。

まとめ

以上が、応募者を惹きつけ、相互理解を深める採用面接の基本的な流れです。このプロセスを取り入れることで、面接が単なる選考の場ではなく、応募者と会社が信頼関係を築く場となります。結果として、採用後のミスマッチを防ぎ、長期的に活躍する人材を迎えることが期待できます。

バックナンバー
入社したい!と思わせる採用面接のポイント vol.7
https://tama-work.jp/news/takagi-saiyouteicyakushi-07/

応募者を逃がさない!応募から面接までのプロセスを強化しよう vol.6
https://tama-work.jp/news/takagi-saiyouteicyakushi-06/

採用したい人材に刺さる求人原稿の作り方 vol.5
https://tama-work.jp/news/takagi-saiyouteicyakushi-05/

魅力的な募集条件を設定するvol.4
https://tama-work.jp/news/takagi-saiyouteicyakushi-04/

◆募集条件の決定方法 vol.3
https://tama-work.jp/news/takagi-saiyouteicyakushi-03/


プロフィール

社労士事務所CRAFT 代表
採用定着士/特定社会保険労務士 高木 厚博(たかぎ あつひろ)
1974年大阪生まれ。私立清風高校、関西大学法学部卒業。大手外食企業にて、店舗管理等を経験。

退職後バイトをしながら試験勉強をし、社会保険労務士試験合格。地域最大級の社労士事務所に勤務。約15年勤務したのち2019年11月独立開業。顧問先企業の人事・労務の課題解決に取り組む一方、「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションに、採用支援、賃金制度・評価制度構築、「パワハラ予防研修」や「承認力向上研修」などの社内研修で中小企業の社員の定着・育成を支援している。

金融機関、商工会議所主催セミナーなど講演実績多数。パワハラ予防士。承認ファシリテーター。

著書「うちはいい会社です!と社員から言われる就業規則25のチェックポイント」(共著、泉文堂)。
NHK総合テレビ「おはよう日本」『103万の壁 企業の足かせ』出演。
好きな飲み物:よなよなエール 好きな食べ物:天下一品こってり

【連絡先】

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