「採用定着士」高木厚博の欲しい人材が集まる!中小企業の中途採用成功術 #7

<第7回> 入社したい!と思わせる採用面接のポイント(毎月第1木曜日に発信)

この会社の特徴

TAMA WORKをご覧の皆さん、こんにちは。採用定着士/社会保険労務士の高木です。

「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションとして、多摩地域を中心とした中小企業のサポートをさせていただいております。

このブログでは「欲しい人材が集まる!中小企業の中途採用成功術」と題して、
「求人を出しても応募が来ない・・・」
「応募はあるけど、いい人材が来ない・・・」
「入社したけど、すぐ辞めてしまった・・・」
といった人材確保にお悩みを持つ中小企業経営者、採用担当者の皆さんに役立つ内容を連載でお届けします。

第6回では応募者を逃がさない応募から面接までのプロセスについてお伝えしました。第7回目の今回は「入社したい!と思わせる採用面接のポイント」というテーマでお伝えします。

はじめに

面接は単なる「見極めの場」ではなく、応募者に自社のファンになってもらう「相互理解の場」として活用すべきです。特に優秀な人材ほど、複数の企業から内定をもらう可能性が高いため、面接時に「この会社で働きたい」と思ってもらうことが重要です。採用面接のポイントについて解説していきます。

1.面接は何回行うか

中途の正社員採用の場合、じっくり見極めたい気持ちもわかりますが、あまり時間をかけすぎると他社に入社を決めてしまうおそれもあるので、2回がおすすめです。一次面接は人事担当者や配属予定先の上司に担当してもらい、会社説明および応募者のスキルや業務経験の確認を行います。二次面接は社長や役員が担当し、会社の方向性や価値観を共有し、応募者がその企業文化に共感できるかを確認し、最終判断をします。

パート・アルバイトの場合は、スピードが大事ですので、1回で良いでしょう。仕事の内容や勤務条件をしっかり説明したうえで、スキルや勤務可能日を確認し、適否を判断します。

2.面接でのポイント

面接を通じて「志望度を高める」「入社後のミスマッチを防ぐ」「仕事の適性を見極める」といった重要な役割を果たすためには、以下のポイントを押さえておくことが効果的です。

  1. 会社説明会を実施する
  2. 面接ではマイナスなこともしっかり伝える
  3. 質問・確認する項目を決めておく

1. 会社説明会を実施する 〜ファンになってもらうための場作り〜

最初に重要なのは、一次面接の位置づけです。応募者の志望度が確立していない段階では、「どんな会社か知りたい」「様子見で来た」というスタンスがほとんどです。ですので、一次面接を「採用の判断をする場」ではなく、自社のファンになってもらい「志望度を高める場」として捉えることをお勧めします。

まずは15分程度の会社説明を実施しましょう。会社説明では、自社の理念、業務内容、職場環境、そして会社のビジョンについて伝えることが大切です。また、面接官自身も自己紹介をし、自分がどのように働いているのか、どのような仕事にやりがいを感じているのかなど、個人的なエピソードも交えることで、応募者に「この人と一緒に働きたい」と感じてもらえる可能性が高まります。

資料を活用すると、説明がスムーズになり、面接官による説明内容のばらつきを減らせます。また、簡単な案内動画を用意しておくのも効果的です。動画は一貫したメッセージを伝えることができ、応募者に対して「整った採用プロセスを持つ信頼性のある会社」という印象を与えられるでしょう。

2. 面接ではマイナスなこともしっかり伝える

面接は単に会社の良い面を伝える場ではありません。応募者に信頼を持ってもらうためには、会社の課題や改善点など、ネガティブな側面についても正直に伝えることが重要です。採用の際に現実的な情報を事前に提供することで、入社後のミスマッチを防ぐ効果が期待できます。

「現在の課題改善のために、新しいメンバーを迎え入れる必要がある」と説明すれば、応募者にとって「自分がその解決の一端を担える」という期待感も高まります。このように、会社の発展や課題改善に関わるポジティブな未来像を提示することで、「この会社で成長できそうだ」と思わせる効果を狙いましょう。

3. 質問・確認する項目を事前に決めておく

面接では、必ず聞きたい項目や確認したい内容を事前にリストアップしておくことが重要です。例えば、応募者のこれまでのキャリアについての具体的な質問や、入社後の働き方、仕事に対する価値観についての質問などを事前に用意することで、面接がスムーズに進みます。また、質問内容を統一することで、複数の面接官が関わる場合でも一貫性のある評価が可能となり、公平な選考が実現できます。

さらに、応募者からの質問にも丁寧に応じることが大切です。面接は双方向のコミュニケーションであるべきで、応募者が抱える不安や疑問にしっかり答えることで、会社への信頼感が増し、志望度の向上につながります。

4.まとめ

採用面接は、単に適性を見極める場ではなく、応募者に「ここで働きたい」と思わせる大切な場です。特に中小企業の場合、大企業と比較して知名度が低い分、面接を通して自社の魅力や価値観をしっかりと伝えることが採用成功の鍵となります。ぜひ一度、自社の採用面接に見直す点がないかチェックしてみてください。

具体的な面接の流れや質問項目については、次回お伝えしたいと思います。

プロフィール

社労士事務所CRAFT 代表
採用定着士/特定社会保険労務士 高木 厚博(たかぎ あつひろ)
1974年大阪生まれ。私立清風高校、関西大学法学部卒業。大手外食企業にて、店舗管理等を経験。

退職後バイトをしながら試験勉強をし、社会保険労務士試験合格。地域最大級の社労士事務所に勤務。約15年勤務したのち2019年11月独立開業。顧問先企業の人事・労務の課題解決に取り組む一方、「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションに、採用支援、賃金制度・評価制度構築、「パワハラ予防研修」や「承認力向上研修」などの社内研修で中小企業の社員の定着・育成を支援している。

金融機関、商工会議所主催セミナーなど講演実績多数。パワハラ予防士。承認ファシリテーター。

著書「うちはいい会社です!と社員から言われる就業規則25のチェックポイント」(共著、泉文堂)。
NHK総合テレビ「おはよう日本」『103万の壁 企業の足かせ』出演。
好きな飲み物:よなよなエール 好きな食べ物:天下一品こってり

【連絡先】

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