「採用定着士」高木厚博の欲しい人材が集まる!中小企業の中途採用成功術 #5

<第5回> 採用したい人材に刺さる求人原稿の作り方(毎月第1木曜日に発信)

この会社の特徴

TAMA WORKをご覧の皆さん、こんにちは。採用定着士/社会保険労務士の高木です。

「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションとして、多摩地域を中心とした中小企業のサポートをさせていただいております。

このブログでは「欲しい人材が集まる!中小企業の中途採用成功術」と題して、
「求人を出しても応募が来ない・・・」
「応募はあるけど、いい人材が来ない・・・」
「入社したけど、すぐ辞めてしまった・・・」
といった人材確保にお悩みを持つ中小企業経営者、採用担当者の皆さんに役立つ内容を連載でお届けします。

第4回では自社に合った募集方法の選び方についてお伝えしました。第5回目の今回は「採用したい人材に刺さる求人原稿の作り方」についてお伝えします。
目次

はじめに

転職サイトに掲載を依頼する場合、原稿はサイトのライターさんが書いてくれますが、任せきりではなく、自社の意図に沿った原稿になっているかどうかをチェックする必要があります。また、ハローワークの求人票を作成する場合や自社のホームページで採用情報を掲載する場合は自社で求人原稿を作成する必要があります。採用したい人材に刺さる求人原稿作成のポイントを押さえておきましょう。

1.求職者目線に立つ

求人原稿を作成する際、まず意識すべきは「求職者の目線に立つこと」です。多くの求人原稿が会社の希望する条件ばかりを前面に出し、求職者が何を求めているかを軽視しがちです。例えば、「資格を持っているかどうか」「経験が豊富かどうか」といった条件はもちろん重要ですが、求職者が自社で働くことで何を得られるか、他社を退職してまで自社に入社するメリットはどこにあるか、に焦点を当てた内容にしましょう。

求人原稿の「NGワード」にも気をつけましょう。例えば、「急募」という言葉を求人広告でよく見かけますよね。会社としては「明日にでも来てほしい、すぐに働けますよ」という意図があると思いますが、求職者から見ると「急に人が辞めて困っているのかな?職場に問題があるのかも」と考えてしまうかも知れません。

求人を出す際、会社側は「自社が選ばれる立場にある」という認識を持つ必要があります。求人市場は常に競争が激しく、求職者は多くの選択肢の中から自分に最適な会社を選びます。そのため、自社が求職者から選ばれるための原稿づくりが必要です。この点で重要なのは、他社と比較されることを前提に、他社との差別化ポイントを明確に打ち出すことです。「当社だからこそ提供できる経験」「他社にはない職場環境」「独自の研修体制」といった要素を求人原稿に盛り込むことで、求職者に対して強いアピールが可能となります。また、福利厚生やワークライフバランス、職場の雰囲気など、求職者が気にする要素を具体的に示すことも効果的です。

2.自社のペルソナに刺さる原稿になっているかどうか

求人原稿は、設定した採用ペルソナに焦点を当てることが重要です(※採用ペルソナの設定については連載の第2回をご参照ください)。どのような価値観を持ち、どのようなキャリアパスを目指しているのかを理解したうえで、このペルソナに合致する求職者に響く内容を考え、原稿を作成します。

例えば、経験豊富な専門職を求めている場合、そのスキルや経験がどのように評価され、どのような業務に携わるかを具体的に示すことが重要です。また、若手を求めている場合、成長の機会や学べる環境を強調することで、応募者にとって魅力が増します。ペルソナを明確にし、そのペルソナが「この会社で働きたい」と思えるような原稿を作成することが成功の鍵です。

3.「万人受け」を狙わない

「万人受け」を狙わないことがポイントです。多くの会社が、できるだけ多くの応募者を集めるために、無難で幅広い内容の原稿を作成しがちですが、それは結果として誰の心にも響かないものになりがちです。

特に中小企業の場合、条件面や知名度では大手企業にかないません。特定のスキルや価値観を持った人材をターゲットにすることが重要です。そのためには、あえてターゲットを絞り、その層に刺さるメッセージを伝える必要があります。「この会社は自分のための職場だ」と感じてもらえるような原稿こそが、理想の人材を引き寄せる力を持っています。

自社に合った人材に応募してもらうことは入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。人材の定着で一番重要なことは、「自社に合わない人材を採用しない」ということです。

4.まとめ

求職者に刺さる求人原稿を作成するためには、求職者の目線に立ち、設定した採用ペルソナに焦点を当てることが大切です。会社も選ばれる立場にあることを意識し、他社との差別化ポイントを明確にすることで、自社の魅力を最大限にアピールしましょう。
その前提として、原稿を作成する前に、当社の魅力とは何かを掘り下げる必要があります。

プロフィール

社労士事務所CRAFT 代表
採用定着士/特定社会保険労務士 高木 厚博(たかぎ あつひろ)
1974年大阪生まれ。私立清風高校、関西大学法学部卒業。大手外食企業にて、店舗管理等を経験。

退職後バイトをしながら試験勉強をし、社会保険労務士試験合格。地域最大級の社労士事務所に勤務。約15年勤務したのち2019年11月独立開業。顧問先企業の人事・労務の課題解決に取り組む一方、「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションに、採用支援、賃金制度・評価制度構築、「パワハラ予防研修」や「承認力向上研修」などの社内研修で中小企業の社員の定着・育成を支援している。

金融機関、商工会議所主催セミナーなど講演実績多数。パワハラ予防士。承認ファシリテーター。

著書「うちはいい会社です!と社員から言われる就業規則25のチェックポイント」(共著、泉文堂)。
NHK総合テレビ「おはよう日本」『103万の壁 企業の足かせ』出演。
好きな飲み物:よなよなエール 好きな食べ物:天下一品こってり

【連絡先】

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