「採用定着士」高木厚博の欲しい人材が集まる!中小企業の中途採用成功術 #4

<第4回> 魅力的な募集条件を設定する(毎月第1木曜日に発信)

この会社の特徴

TAMA WORKをご覧の皆さん、こんにちは。採用定着士/社会保険労務士の高木です。

「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションとして、多摩地域を中心とした中小企業のサポートをさせていただいております。

このブログでは「欲しい人材が集まる!中小企業の中途採用成功術」と題して、
「求人を出しても応募が来ない・・・」
「応募はあるけど、いい人材が来ない・・・」
「入社したけど、すぐ辞めてしまった・・・」
といった人材確保にお悩みを持つ中小企業経営者、採用担当者の皆さんに役立つ内容を連載でお届けします。

第3回では求職者にとって魅力のある募集条件の決定方法についてお伝えしました。第4回目となる今回は、「自社に合った募集方法を選択しよう」です。
目次

はじめに

欲しい人材を獲得するためには、適切な募集方法を選定することが重要です。最近は新しい手法も増えています。募集方法の全体像を知って、自社に合った方法を選びましょう。

1.従来からの募集方法

①求人広告
 新聞の折り込みチラシや求人雑誌などに広告を出す方法です。地域に密着した媒体を利用することで、地元の求職者に伝えることができます。紙媒体は視認性が高いため、特にスマホやPCに馴染みが薄い層に届きやすいですが、若年層には届きにくくなります。また、掲載期限が短いため、応募が来なかった場合は、継続的に広告を出す必要があり、費用がかさみます。

②転職サイト
 ネットを活用して多くの求職者にアプローチできるので、比較的若年層の応募者を増やすことができます。紙媒体に比べ、文字数の制約が少ないので、企業情報を詳しく掲載でき、求める人材像を伝えやすいです。利用者が多いため、応募者の質にばらつきが生じることがありますが、業種限定や職種限定といった特化型のサイトを使うことで対象者を絞り込むこともできます。この連載をさせていただいている「TAMA WORK」も多摩地域に限定した特化型サイトの一例ですね。

③ハローワーク
 無料で利用できるため、予算が限られている中小企業にとってはありがたい媒体です。公的機関の求人情報であるため、求職者からの信頼度も高いです。原則としてハローワークを通じて応募する必要がありますので、ハローワークに登録している求職者以外にアプローチしにくいことがデメリットです。

④人材紹介会社
 求人媒体を使って募集をかけたが応募が来ない・・・。そういう場合は、人材紹介会社に依頼する会社も多いでしょう。職種によっては、ほとんどの会社が人材紹介会社を活用しているという場合もあります。貴社にあった人材紹介会社を選択し、求める人材像を明確に伝えることが重要です。費用の高さが最大のネックです。正社員の場合、年収の35%程度を支払うケースが多いようです。

2.最近注目される募集方法

①リファーラル採用
 従業員に知り合いを紹介してもらう採用方法です。従来からある方法ですが、最近見直されています。費用と時間のコストが抑えられます。企業風土に適した人材を獲得できる可能性が高く、定着率も高い傾向があります。紹介した人材が入社した場合、従業員に紹介料を支給する制度を作ることで、紹介者が増えることを期待できます。

②ダイレクトリクルーティング(スカウト採用)
 求職者からの応募を待つのではなく、企業が直接求職者にアプローチする方法です。最近では、「ビズリーチ」などのスカウト型サービスを利用することが一般的です。求職者の人物像を知ったうえでアプローチできるので、効果的に採用活動を行うことができます。経験者や専門性を持った人材を獲得するのに向いています。スカウト候補者の選定、スカウト文の作成、スカウトメールを送るなど、担当者の工数がかなり必要になります。

③ソーシャルリクルーティング(SNS採用)
 SNSを利用して求職者にアプローチする方法です。Instagram、X(旧twitter)、TikTok、YouTubeなどの媒体を通じて、企業が自らのブランドをアピールし、潜在的な求職者とつながることで、応募につなげます。比較的低コストであり、企業風土とのミスマッチを避けることができます。SNSの運用には時間と労力がかかるため、新卒採用など長期的な採用活動に適しています。

④オウンドメディアリクルーティング
 聞きなれない言葉ですが、一般的には自社採用サイトを作成して求人活動を行うことを指します。indeedなど求人専用の検索エンジンに自社採用サイトを掲載することによって、応募者を獲得します。転職サイトなどに比べ、コストを抑えることができます。

3.まとめ

どの採用方法を選択するかは、連載の第2回でお伝えした「ペルソナ」の設定により異なります。例えば、看護師を採用したいのであれば、看護師専門の転職サイトや看護師専門の人材紹介会社を活用します。地元に密着した人材を獲得したいのであれば、地元密着の転職サイトを活用したり、近所に求人チラシをポスティングすることが考えられます。

 必ずしも、一つの媒体に絞る必要はありません。コストはかかりますが、複数の媒体を活用することも応募者を増やすことにつながります。

 適切な募集方法を選び、欲しい人材を効果的に獲得しましょう。

プロフィール

社労士事務所CRAFT 代表
採用定着士/特定社会保険労務士 高木 厚博(たかぎ あつひろ)
1974年大阪生まれ。私立清風高校、関西大学法学部卒業。大手外食企業にて、店舗管理等を経験。

退職後バイトをしながら試験勉強をし、社会保険労務士試験合格。地域最大級の社労士事務所に勤務。約15年勤務したのち2019年11月独立開業。顧問先企業の人事・労務の課題解決に取り組む一方、「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションに、採用支援、賃金制度・評価制度構築、「パワハラ予防研修」や「承認力向上研修」などの社内研修で中小企業の社員の定着・育成を支援している。

金融機関、商工会議所主催セミナーなど講演実績多数。パワハラ予防士。承認ファシリテーター。

著書「うちはいい会社です!と社員から言われる就業規則25のチェックポイント」(共著、泉文堂)。
NHK総合テレビ「おはよう日本」『103万の壁 企業の足かせ』出演。
好きな飲み物:よなよなエール 好きな食べ物:天下一品こってり

【連絡先】

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