「採用定着士」高木厚博の欲しい人材が集まる!中小企業の中途採用成功術 #3

<第3回> 魅力的な募集条件を設定する(毎月第1木曜日に発信)

この会社の特徴

TAMA WORKをご覧の皆さん、こんにちは。採用定着士/社会保険労務士の高木です。

「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションとして、多摩地域を中心とした中小企業のサポートをさせていただいております。

このブログでは「欲しい人材が集まる!中小企業の中途採用成功術」と題して、
「求人を出しても応募が来ない・・・」
「応募はあるけど、いい人材が来ない・・・」
「入社したけど、すぐ辞めてしまった・・・」
といった人材確保にお悩みを持つ中小企業経営者、採用担当者の皆さんに役立つ内容を連載でお届けします。

第2回では求める人材像を明確にする採用ペルソナの決定方法と、その具体的なステップについてお伝えしました。第3回目となる今回は、募集条件の決定方法について解説します。

目次

はじめに

採用ペルソナとして設定した求職者が応募したくなるような魅力的な条件を提示する必要があります。給与、労働時間、休日などの労働条件の決定方法と、応募者にとって魅力的な条件を提示するためのポイントについて詳しく解説していきます。

1.給与

給与を決定する際には、まず世間相場を把握することが重要です。同業他社の求人情報を調査し、どの程度の給与が一般的であるかを確認しましょう。indeedなどの求人検索サイトやハローワークの求人情報、国や地方自治体、業界団体などの統計データを参考にすることで、現実的な給与を設定することができます。ちなみに、私が所属する賃金コンサルタントのグループでは、首都圏中小企業1万人の賃金データを集めた統計を毎年作成しています。 給与の中身も重要です。
同じ、25万円の給料でも、左右の明細を比較すると印象が変わります。みなさん、どう感じますか?

左の例では、「残業が多い会社だろうな」という印象を持たれるのではないでしょうか。総額だけでなく、見栄えの良い中身にすることも大切です。 応募者のスキルや経験に応じて、給与の幅を持たせることも考慮しましょう。ただし、給与の下限と上限の幅が大きすぎるのは、逆に怪しまれるため注意が必要です(例:250,000円~500,000円)。こういった場合は仕事の内容や役割が違うはずなので、別の求人として分けて募集することが適切です。
また、月給だけでは全体の収入のイメージが持ちにくいため、残業や賞与も含めた想定年収を記載するようにしましょう。さらに、モデル年収を「○年目・○歳年収○○○万円」のように記載すると将来設計がしやすくなり、応募への動機につながります。

2.労働時間

労働時間については、以下の点を求職者はチェックします。

  • 勤務時間帯はどうか
  • 労働時間が長くないか
  • スキル残業時間は長くないか


などを求職者はチェックします。
長時間労働の求人はどうしても応募が減ってしまいます。業務の都合だから仕方がないと、そのまま求人原稿に記載するのではなく、この機会に効率的な働き方ができないか検討してみましょう。職種によりますが、例えば、直行直帰を増やす、一部の業務をパートに任せる、早番・遅番のシフトを作るなどが考えられます。

3.休日

最近、特に若い求職者は給与よりも休日数を重視する傾向があります。休日数が世間相場より少ないと応募は少なくなってしまいます。下表の厚生労働省の調査では年間休日は115日程度が相場となっています。

(出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」)

「土日祝休み」はアピールポイントになります。土日に営業している会社では、どの程度土日に休みが取れるか、連休が取れるかなどを記載すると良いでしょう。

また、有給休暇の取得率が高いといったアピールポイントがあれば、必ず記載するようにしましょう。

4.福利厚生

福利厚生も重要な要素です。退職金制度、借上げ社宅制度、人間ドック補助など、従業員が安心して長く働ける環境を整えることで、企業の魅力を高めることができます。また、資格取得支援などのキャリアアップを支援する制度も効果的です。
福利厚生制度ではありませんが、働きやすさという意味で、「在宅勤務(テレワーク)」は求職者にとって人気キーワードの一つです。在宅勤務を一部でも行っている会社は必ず記載するようにしましょう。

おわりに

中小企業にとって、優秀な人材を確保するためには、適切な募集条件の設定が不可欠です。そのために、同業他社の調査をしっかり行うようにしてください。経営状況、業務内容などによってできることは各社異なると思いますが、求職者にとってより魅力的な労働条件となるよう、給与、労働時間、休日、福利厚生制度などを見直してみてください。

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プロフィール

社労士事務所CRAFT 代表
採用定着士/特定社会保険労務士 高木 厚博(たかぎ あつひろ)
1974年大阪生まれ。私立清風高校、関西大学法学部卒業。大手外食企業にて、店舗管理等を経験。

退職後バイトをしながら試験勉強をし、社会保険労務士試験合格。地域最大級の社労士事務所に勤務。約15年勤務したのち2019年11月独立開業。顧問先企業の人事・労務の課題解決に取り組む一方、「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションに、採用支援、賃金制度・評価制度構築、「パワハラ予防研修」や「承認力向上研修」などの社内研修で中小企業の社員の定着・育成を支援している。

金融機関、商工会議所主催セミナーなど講演実績多数。パワハラ予防士。承認ファシリテーター。

著書「うちはいい会社です!と社員から言われる就業規則25のチェックポイント」(共著、泉文堂)。
NHK総合テレビ「おはよう日本」『103万の壁 企業の足かせ』出演。
好きな飲み物:よなよなエール 好きな食べ物:天下一品こってり

【連絡先】

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