「採用定着士」高木厚博のせっかく採用したのに…を防ぐ!社員が定着する職場づくりのポイント #1

<第1回> なぜ社員が定着しないのか?離職の原因を知る

この会社の特徴

<第1回>なぜ社員が定着しないのか?離職の原因を知る

TAMA WORKをご覧の皆さん、こんにちは。採用定着士/社会保険労務士の高木です。

「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションとして、多摩地域を中心とした中小企業のサポートをさせていただいております。

このブログでは「せっかく採用したのに…を防ぐ!社員が定着する職場づくりのポイント」と題して、
「採用はできたが、すぐ辞めてしまう・・・」
「定着率を上げたいが、どうしたらよいかわからない・・・」
といった人材定着にお悩みを持つ中小企業経営者、人事担当者、管理職の皆さんに役立つ内容を連載でお届けします。

1回目の今回は「なぜ社員が定着しないのか?離職の原因を知る」についてお伝えします。

はじめに

「採用はできたが、すぐ辞めてしまう・・・」
「定着率を上げたいが、どうしたらよいかわからない・・・」

こんな悩みを抱える企業の経営者や人事担当者は少なくありません。
特に中小企業では、採用に成功したとしても、その社員が短期間で辞めてしまうケースが多く、頭を悩ませている企業が多いのが実情です。

では、なぜ社員は辞めてしまうのでしょうか?
本記事では、早期離職の主な原因を分析し、企業として改善すべきポイントを明らかにしていきます。

早期離職の実態を知る

 厚生労働省の調査によると、新卒社員の3年以内の離職率は大卒が35%、高卒が38%となっています。

また、中途採用の社員においても、3年以内に離職した割合が約4割というデータもあります。特に、中小企業では大企業と比べて定着率が低い傾向にあり、採用した人材を長く活かせず、採用と退職を繰り返してしまうケースも少なくありません。

では、実際に社員が退職する理由は何でしょうか?

社員が辞める主な理由とは?

社員の退職理由はさまざまですが、主に以下の5つに分類されます。

職場環境や人間関係の問題

  • 上司との関係が悪い
  • 職場の雰囲気が合わない
  • 周りの社員のサポートがなく、孤立してしまう

職場の人間関係は、社員の定着において最も重要な要素の一つです。特に、新しく入社した社員は周囲に馴染めないとストレスを感じ、早期に辞めてしまうことがあります。

入社前とのギャップ(期待と現実の違い)

  • 求人情報や面接時の説明と実際の業務内容が違う
  • 仕事の進め方や求められるスキルに大きな差がある
  • 聞いていた待遇や労働環境と異なる

「思っていたのと違う」というギャップは、早期離職の大きな原因の一つです。特に、採用時に企業側が良い面ばかりを強調しすぎると、入社後に「だまされた」と感じられてしまうことがあります。

労働条件・待遇への不満

  • 給与が低い、昇給が少ない
  • 残業が多い
  • 休みが少ない、有休が取りにくい

給与や労働時間に対する不満が理由で退職するケースも少なくありません。特に、働き方改革が進む中で、長時間労働や休みが少ない環境は敬遠されがちです。

キャリアアップや成長の機会が見えない

  • 仕事のやりがいが感じられない
  • スキルアップや昇進の見込みがない
  • 成果を出しても評価されない

特に若い社員は「この会社で成長できるか?」を重視します。成長の機会がなければ、他の会社へ転職しようと考えるのは当然の流れです。

会社の経営方針やビジョンに共感できない

  • 企業の方針が曖昧で将来性を感じられない
  • 経営層と社員の価値観が合わない
  • 社内ルールや体制が整っていない

企業のビジョンや方向性が社員に伝わっていないと、社員は「この会社で働き続ける意味がない」と感じ、転職を考えることになります。

離職を防ぐために企業ができること

では、これらの離職理由を踏まえて、企業ができる対策を考えていきましょう。

職場の人間関係を良好に保つ

  • 上司と部下の関係を強化するために定期的なミーティングを実施する
  • 新入社員が馴染みやすいようにメンター制度を導入する
  • 管理職への部下育成研修やコミュニケーション研修を取り入れる

求人時に情報を正しく伝える

  • 仕事内容や職場環境をできるだけリアルに伝える
  • 求人情報の誇張を避け、ギャップを最小限にする
  • 入社前のフォローを強化し、事前に会社の雰囲気を知ってもらう

労働条件を見直す

  • 業界水準に合わせ給与・待遇を改善する
  • 過度な残業を減らし、ワークライフバランスを確保する
  • 福利厚生を充実させ、社員の満足度を向上させる

キャリアパスを明確にする

  • 社員の成長を支援する研修制度を導入する
  • 昇進や評価基準を明確にし、モチベーションを高める
  • 社員のキャリア志向に合わせた柔軟な働き方を設計する

会社のビジョンを明確にし、共有する

  • 経営層が定期的に企業の方針やビジョンを伝える場を設ける
  • 社員との対話を増やし、一体感を醸成する
  • 会社の成長とともに社員も成長できる仕組みをつくる

まとめ

社員の定着率を高めるためには、採用後のフォローが重要です。特に、中小企業では「人間関係」「労働条件」「成長機会」の3つを意識することで、定着率を向上させることができます。

次回以降の記事で、定着率向上に向けた具体的な施策を解説していきます。
「採用した人材が長く活躍する会社」を目指しましょう!

プロフィール

社労士事務所CRAFT 代表
採用定着士/特定社会保険労務士 高木 厚博(たかぎ あつひろ)
1974年大阪生まれ。私立清風高校、関西大学法学部卒業。大手外食企業にて、店舗管理等を経験。

退職後バイトをしながら試験勉強をし、社会保険労務士試験合格。地域最大級の社労士事務所に勤務。約15年勤務したのち2019年11月独立開業。顧問先企業の人事・労務の課題解決に取り組む一方、「採用と定着で中小企業の発展を支援する」をミッションに、採用支援、賃金制度・評価制度構築、「パワハラ予防研修」や「承認力向上研修」などの社内研修で中小企業の社員の定着・育成を支援している。

金融機関、商工会議所主催セミナーなど講演実績多数。パワハラ予防士。承認ファシリテーター。

著書「うちはいい会社です!と社員から言われる就業規則25のチェックポイント」(共著、泉文堂)。
NHK総合テレビ「おはよう日本」『103万の壁 企業の足かせ』出演。
好きな飲み物:よなよなエール 好きな食べ物:天下一品こってり

【連絡先】

〒206-0002 東京都多摩市一ノ宮1-26-7 ラミアール聖蹟508

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