ホーリーの選ばれるブランディング #3

毎月第4週の木曜日に発信

この会社の特徴

みなさん、はじめまして。
ブランドデザイナーのホーリーです。
グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートして約30年。
主に企業の広告制作に従事してきました。
2014年にブランディングと出会い、その「伝わる威力」に魅了され、その日からブランディングについての探求をはじめて今年で10年目となりました。
大げさな自己紹介をしましたが、とくに研究者というわけではありません。
現在は、企業の「らしさ」を磨いて、デザインで「よりよく」伝える、ブランドデザイナーとして企業の想いをお客さまへ伝えるお手伝いをしています。

今回は、Vol.1で少し触れた、ブランドイメージについてのおはなしです。
ブランドイメージとは、ブランドの本質とも言うべきもの。自社の製品・サービスを利用してくれているお客様はもとより、何かしらのタッチポイント(接点)でブランドのことを見たり聞いたりして、知っているという人の中につくられる心象です。
目次

ブランドは良いイメージだけじゃない?

みなさんはブランドと聞くと真っ先に「良いイメージ」を思い浮かべていませんか。みんなが知っている有名な企業だったり、いつも行列ができる美味しいお店だったり、みんなが憧れる有名人が宣伝していたり……。自分たちの生活を便利にしてくれたり豊かにしてくれる、そんなイメージをお持ちではないでしょうか?
ほとんどのブランドはお客様に良いイメージを持たれていますが、実は時々悪いイメージを持たれていることもあります。

例えば、買った商品がすぐに壊れてしまったり、その場で長時間待たされたり、注文した商品と違ったモノが届いたり、店員の接客態度が悪かったり、宣伝していた有名人にスキャンダルが発覚したりなど。なんとなく悪いイメージを持ってしまう体験をすると、その企業や製品・サービスを嫌いになったり、前ほど応援できなくなってしまった、なんてことはありませんか。
ブランドの最終的な目的は、「競争せずにお客様に選ばれ続けること」つまり指名買いされることです。そのためにも企業は出来る限りお客様や世の中に悪いイメージを持たれないような活動が求められています。

ブランドには「プラス」と「マイナス」がある

ブランドには「欲しい!いいよね!」と感じるプラスの状態と「嫌い、欲しくない」と感じるマイナスの状態があります。(出典:「ブランド・マネージャー資格試験公式テキスト」一般財団法人ブランド・マネージャー認定協会 著)
それはお客様の体験や見たり聞いたりした情報、世の中の風潮などの影響を受け、その状態はお客様のイメージの中で常に変化しています。
つまり、企業は常にお客様とのコミュニケーションの中で、ブランドをプラスの状態に保つ活動が求められているのです。

ブランドをマイナスの状態にしないためには、Vol.2でお話したクレドがその力を発揮します。企業のメッセージの強度を上げて発信するには一貫性が重要です。それは良いイメージを持たせる活動だけでなく、悪いイメージを持たせない活動にも応用が利きます。ブランディングでは、「やること」を決めると同時に「やらないこと」も定義します。法律を守ることは元より、お客様や世の中が不快に感じる行動は慎む、積極的に排除する行動を明確にし定義していきます。
ここでも社員個人の価値観で行動が変わってしまわないように注意が必要です。社員一人ひとりの価値観を合わせるには、クレドや社内規定などに明記し、研修などを通した社員教育も企業の成長に合わせて必要になってきます。

例えば、一人親方などで仕事をする植木職人。昭和のイメージでは休憩時間にお客様のお宅でトイレを借りたり、出されたお茶を飲んだり、仕事場の庭でタバコを吸ったりなど、今では不適切?とされる行動が当たり前にありました。
今では、そのような行動はしないという宣言をし、それを逆手にとってPRしている植木屋のHPも多くみられるようになりました。

その他にも、社名を大きく記したトラックやタクシーなどの運転や路上駐車もブランドをプラスにもマイナスにも変化させます。ここ数年、大手の運送会社では配達の際に有料パーキングに駐車し、そこを拠点に近所へ配達している様子をよく見るようになりました。少し前まではみんなが当たり前に容認できたことが、時代の流れで「不適切な行動」と認識されてしまいます。
SNSの普及で個人の発信する様々な情報が、炎上したりバズったりして大きく取り上げられる今、逆にその行動をしないことでブランドイメージを上げることもできると言えるのかもしれません。



つづく

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