アウディやルノーなどの高級輸入車販売、整備、カーシェアサービスなどを手掛ける株式会社ビジョナグループ。経営理念には「車を通じて一生涯のお付き合い」を掲げ、顧客からの信頼を得ることを最も大切に考えています。革新的なビジョナグループが求める「主体性のある人材」とはどんな人なのかについて、CEOの鷲尾潤二さんに伺いました。
企業情報:株式会社ビジョナグループ
事業概要:自動車正規ディーラー、中古車流通、自動車整備、損害保険代理
住 所:東京都立川市高松町2-39-20 Audi立川2階
代 表:鷲尾 潤二
トップセールスのCEOから仕事術や人生観を学べる環境

東京の立川市や八王子市など多摩地域での輸入車ディーラー事業を核として、中古車流通やカーシェアサービスを行うビジョナグループ。埼玉や栃木も含めて10店舗以上を展開しており、アウディ、アルピーヌ、シトロエン、ルノー、プジョーなど輸入車を取り扱っています。これからの成長が期待される「ベストベンチャー100」に14年連続選出されるなど、自動車業界でも勢いがある会社の一つです。
グループのCEOを務める鷲尾潤二さんは、過去にはフォードやジャガーのトップセールスを経験したカリスマ経営者。日常会話でも偉人の名言や歴史の出来事を頻繁に引用して説明するなど博識で、「現状がより良くなるためにはどうすべきか」を常に考えています。勉強家で人間味あふれる鷲尾さんの人柄に惹かれて入社する人も多いのだとか。
「今は、生きる目的や働く理由について考えたことのない人も多くいます。考えなくても生活できてしまいますからね。ただこの会社では『食べていくために働く』人より、『自分がどうありたいか』を考えられる人の方が向いていると思います」。
17歳で社会に出てから仕事のノウハウを体当たりで学んできた鷲尾さんですが、社員には会社の経営状況や仕事の進め方、ストレスとの向き合い方、働くとはどういうことかという人生論まで包み隠さず真摯に話しています。他人が個人の内面まで踏み込む機会が減少している時代だからこそ、知りたい・学びたい人には懇切丁寧に教えていきたいと考えています。
患者として医者に直接営業…地道に信頼を積み重ねた創業時代
鷲尾さんのキャリアや営業手法は、異色です。愚痴を言い合う職場に二週間で違和感を覚え、「自分にもできそう」と飛び込んだ自動車業界。 求人票に「大卒以上・履歴書を本社宛に送付」と記載があったところ、高校中退だった鷲尾さんは「試されている」と感じ、自ら会社訪問することで入社に至ります。その後二社でトップセールスを経験、転職先の経営破綻を契機に、2004年に25歳でハンユウ株式会社(現ビジョナグループ)を創業します。
経営を何も知らないところから、それまで一緒に働いていた従業員を3人伴ってのスタート。創業資金は800万円、テナント代が約200万円とキャッシュフローは綱渡り状態でした。銀行にサラリーマン時代の販売実績をアピールして融資を依頼するも、創業直後で信頼を得られず、「当行は、あなたの実験台ではございません」と冷や水を浴びせられます。
そこで鷲尾さんは、「支払前にキャッシュがあればいい」と発想を転換します。ディーラーでは、まず輸入車をメーカーから仕入れ、顧客からの売上を元手にまた輸入車を仕入れるというサイクルがあります。仕入れが発生するまでに病院の駐車場で高級車や車検が切れそうな車を見つけては、患者として病院を訪れ医師の問診時に直接営業を行う、帰宅時を見計らって医師に声を掛けるという斬新な営業手法で着実に顧客を増やしていきました。
「病院に目を付けたのは、医者ならお金持ちだと思ったから(笑)もちろん最初からうまくいったわけではありませんが、『君、面白いね。私も若い頃は苦労したよ』と面白がって話を聞いてくれる人に助けられました」。
社員全員が無我夢中で営業活動に奔走した結果、初年度から黒字を達成。「逆に銀行から口座開設の話を持ちかけられた際は、強い達成感がありました」と鷲尾さんは当時を振り返ります。困難な状況があったら無理だと諦めるのではなく、置かれた状況や事実をシンプルに受け止め、どうすればできるのかを考えるのが鷲尾スタイルです。事実や境遇、他人は変えられなくても、自分の考え方や未来は変えることができる——この姿勢は経営手法や営業方針、人材育成など全てに活きています。
「車を通じて一生顧客と付き合う」 父から学んだ仕事への向き合い方

そんなビジョナグループの経営理念は「車を通じて一生涯のお付き合い」です。自動車は、住宅の次に高額な商材です。お客さまの好みやライフスタイル、いつ、どのような状況で運転するのかによっても提案内容は変わります。必然的に接客ではお客様のプライバシーに深く踏み込むこととなり、家族構成や居住地域はもちろん、ローンを組むなら懐事情などセンシティブなお話をすることも少なくありません。
安心して一生に数回の高額な買物を決断してもらうには、対等な関係性と信頼が求められます。そのためビジョナグループでは、お客さまに「販売したら終わり」のドライな関係性ではなく、代替えやメンテナンスなどのアフターサポートも含めて、何かあった際に自分たちを思い出してもらえる存在を目指しています。
例えば整備士なら、依頼されたメンテナンスだけを行うのではなく、事前に定期点検のご案内を行う、点検中に気付いた部分があれば専門用語を極力排してお客さまに分かるように説明すれば、強く印象に残ります。
実際にビジョナグループでは長いお付き合いの顧客が多く、引っ越しをしてもわざわざショールームに足を運んでくれる方までいるのだとか。自分がより成長するための新しい取り組みや挑戦については応援する社風ですが、顧客に迷惑をかけないというのは、ビジョナグループで働く上での絶対条件です。
「創業オーナーでなくても、自分の仕事に誇りを持つ人が働く会社はいい会社だと思っています。こう感じるようになったのには、私の父の仕事観が影響しています。父は自分の仕事を愛し、息子に仕事愛を堂々と語るような人でした。週に一日の休みで一緒に遊んだ記憶はほとんどないのですが、子ども心に羨ましいなと憧れていましたね」。
ディーラー業の全てをまとめた経営計画書や充実の教育体制で、業界未経験でも安心

順調に事業が拡大していく中、創業オーナーである自分の目指す未来や理念を社員と共有するにはどうすればいいのか、鷲尾さんは壁にぶつかります。そんな中で生まれたのが、全社員が携帯する「経営計画書」です。内容は社外秘で、経営理念やビジョンについての解説から始まり、経営目標と今期予算、身だしなみ、営業としての心構え、顧客への接客手法やマナー、偉人の格言など項目は多岐に渡り、一冊にビジョナグループやディーラー業務の全てが網羅されています。毎年、経営計画書の内容は改定されますが、約300ページある文章は全て鷲尾さんが執筆しています。取材時には、社員がデスクに置いて仕事でも活用する場面が見られました。
「全体朝礼では経営計画書の読み合わせを行います。時代に合わせて学ぶべき内容など改定した部分もありますが、掃除方法から営業という仕事への向き合い方まで全てをまとめています。今は先輩の背中を見て学ぶ時代ではない。身に付けられるかは本人の学ぶ意欲次第ですが、ノウハウは全て伝えたいと思っています」。
ここまで親切丁寧に解説するのは、人材育成に悩んできた過去があるからです。前職の仕事手法にこだわりすぎてうまくいかない人、受動的で知識が身につかない人を、これまで鷲尾さんはたくさん見てきました。成長するためには学ぼうとする本人の意欲が一番大切ですが、初期は何から手を付けていいか分からず、やる気が失われてしまうこともあります。そこで社内では学びたいと思える環境や、学びを促すきっかけ作りを意識しています。
また、特徴的なのは「アウトプット」の機会が用意されている点です。社外で行われるビジネスマナー研修や大学での講義、メーカー研修、仕事に関連する書籍など、業務に関連する学びは規定範囲内で会社が負担する代わりに、必ず会議で学びをアウトプットすることが求められます。知識を人前で発表することで本人はより理解を深める、他の社員は新たな学びを得るという仕組みを確立しています。
自動車産業に流通革命を起こす意欲がある、自律的な人材と働きたい

自動運転やAIが台頭し、厳しい社会情勢や円安など輸入車ディーラーには逆風とも言える状況下とも言えますが、鷲尾さんは「むしろチャンス」と分析します。なぜなら、ビジョナグループのビジョンは「自動車産業に流通革命を起こす」だからです。
「日本ではメーカー発の大量生産車がディーラーで販売されますが、海外ではユーザーの声を取り入れた開発が行われる、複数のディーラーが集積するエリアや自動車専門モールが存在するなど、先進的な事例が幾つもあります。我々ディーラーはお客さまに最も近いので、顧客ニーズを直接聞ける立場にいます。将来的には、お客さまの理想の車を我々が起点となり商品化する未来を目指しています」。
誰も到達していない高みに挑戦するため、アントレプレナーシップ(起業家精神)がある人、自己投資を考える人、プラス思考の人は大歓迎。ビジョナグループでは、営業として優秀ならインセンティブで年収800万円を狙うことも可能な給与体系で、ディーラーとして新拠点を任せられるチャンスもあります。数字は求められると言ってもギスギス社内で争い合うというよりは、各自が自律して目標に取り組むという雰囲気を感じます。
ビジョナグループの掲げる理想に向けて目の前の仕事に取り組んでいけば、キャリアアップできることは間違いありません。職場には、大卒でない役員、70歳の現役社員、外国籍社員、異業種から転職してきた社員など、ダイバーシティに溢れています。「10年後に誇れる自分でありたい」と感じる方は、チャレンジする価値がある環境です。
<職場の声>
●新入社員
「先輩は優しい人が多く、困ったときに助けてくれる」
●三年目営業職
「鷲尾社長は、いつも大事なことを教えてくれます。何を優先すべきかが明確で方針がブレないので、信頼できる存在。現在私は中古車をメインに販売していますが、今後は既存顧客のお乗り換えのサポートなど、新車を販売できる営業になりたいです」
●管理本部中堅社員
「入社理由は、10年後に成長した自分でいたいと感じたためです。MBAホルダーなので知識はある方だと思っていたのですが、ビジョナグループに入社して『“わかる”と“できる”は違う』と学びました。成果主義の会社で事業規模も年々拡大しており、営業職ならインセンティブがあるところも魅力。自己投資したい人、特に経営について学びたい人にはオススメです」

