ホーリーの選ばれるブランディング #8

毎月第4週の木曜日に発信

この会社の特徴

みなさん、こんにちは。
ブランドデザイナーのホーリーです。
グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタートして約30年。
主に企業の広告制作に従事してきました。
2014年にブランディングと出会い、その「伝わる威力」に魅了され、その日からブランディングについての探求をはじめて今年で10年目となりました。
大げさな自己紹介をしましたが、とくに研究者というわけではありません。
現在は、企業の「らしさ」を磨いて、デザインで「よりよく」伝える、ブランドデザイナーとして企業の想いをお客さまへ伝えるお手伝いをしています。

今回は、2024年11月20日(水)~11月22日(金)東京ビッグサイト西展示棟にて開催された「産業交流展2024」に伺ったレポートを踏まえて、前回お話した「強みについて深く掘り下げてみたいと思います。

産業交流展2024についてはこちらをご覧ください。
www.sangyo-koryuten.tokyo

今回、産業交流展2024に伺った主な目的は、特別テーマの「新製品・新サービスゾーン」の見学でした。(ちなみに、新製品・新サービスゾーンとは、3年以内に新製品・新サービスを発表した企業が対象。革新的な新製品・新サービスを発表する中小企業を紹介するゾーンのこと。)出展者検索にて検索すると、60社以上が出展されていました。

すべてのブースをくまなく見る時間はありませんでしたが、個人的に面白そうな製品やサービスを出展されている企業を中心に見学しました。また、ブースを通りかかった際にお声掛けいただいた企業の方々からもお話を伺い、いくつかの企業の取り組みについてお話を聞かせていただきました。

自社の「強み」と「福祉」への取り組みを組み合わせた事例

ご紹介したい一つ目の企業はこちら

有限会社roomoon https://roomoon.net
PRポイント:弊社は、東京都認証のソーシャルファーム事業所です。自律的な経済活動を行いながら、就労に困難を抱える方が必要なサポートを受け、他の従業員とともに働いている企業です。「アート」×「福祉」を軸とし個々の従業員が得意を活かしながら丁寧な商品作りをしています。人を育て、町を育てる商品作りを提案し、地域活性につながる事業を志すとともに、誰もがが安心して働ける社会を目指します。

出展内容:天然の蓮を貼り、1つ1つ人の手により丁寧に彩色し、仕上げた「ご朱印帳」は唯一無二の商品です。蓮の種類や土地の条件により風合いが変わります。蓮と神社仏閣との深いつながりを「ご朱印帳」という形で表現した商品であり作品です。国内向け、またインバウンド向け商品としてお取り扱いいただける企業様に適した商品となっています。

課題解決:商品制作にかかわる工程を細分化をすることで、個々の得意を活かした働き方を考えることができます。「アート」という分野で商品つくりを考えることで、個性を生かし、すべてが正解のアート作品としての商品が生まれます。

出典:産業交流展2024 HP

こちらの企業は、天然の蓮を貼りつけた、一つひとつ手作りの表紙を持つ御朱印帳を出展していました。この製品は、本物の蓮を使用することで、同じものが二つとない独自の価値を生み出しています。さらに、彩色を施すことでつくり手の個性を活かした「アート」としての価値も高めています。それは贈り物としても喜ばれる、製品としての高いクオリティを持ち合わせていました。
もともと花に関する事業を展開していた同社は、自社の「強み」と「福祉」への取り組みを組み合わせた素晴らしい事業を展開しています。
突出した「強み」がなくとも、別の要素を掛け合わせることで、他にない価値を創出することが可能となります。このようなアプローチにより、競争の激しい市場で戦うのではなく、独自のポジションを築くことが重要といえます。

自社のニーズから顧客のニーズを満たす「強み」を開発した事例

ご紹介したい二つ目の企業はこちら

株式会社和気 http://e-wake.co.jp
PRポイント:設計・デザイン・生産迄一貫して対応可能ですのでゼロからのパッケージ作成が可能です。パッケージを通じてソリューションを提案いたします。

出展内容:EAPB(Easy to Assemble Paper Box)と称し組み立て簡単パッケージを開発いたしました。 EAPBの特徴として、組み立て簡単・製函後の美粧性の安定・箱サイズ(組み立て前)がコンパクトとなります。是非展示場にてEAPBの特徴を実感して頂ければと思います。

課題解決:EAPBの箱を使用する事で箱の組み立て時間が短縮できます。 箱をご使用されるお客様にとっては箱を組み立てる時間が削減される事により労務費削減にもつながるのではないでしょうか?

出典:産業交流展2024 HP

こちらの企業は、「EAPB」と称した組み立てが簡単なパッケージを開発し、出展されていました。この製品開発のきっかけを伺うと、自社の営業担当者が小売店などの顧客に商品を配送する際に、「大きくて運びづらい」という課題を感じたことから始まったとのことでした。また、この問題は顧客である小売店にとっても同様であることにも気づきました。そこで開発された製品は、省スペース性に加え、組み立て時間を短縮する設計が施されており、顧客にさらなるベネフィットを提供しています。
「省スペース」×「時短」設計は、自社のニーズだけでなく顧客のニーズも満たす高付加価値を備えており、他社製品よりも優れたポジションを確立することで、競争から一歩抜け出すきっかけになるのではないかと感じました。


「強み」を活かすとは、「強み」を押し売りすることではない

お話を伺った企業の中から、特に印象的だった2社の事例をご紹介しました。この2社は、自社の「強み」を活かしながら、顧客のニーズに応え、さらに社会課題の解決に向けた手段を提示している、優れた事例だと感じました。
「強み」を磨き活かすということは、単に自社の「強み」を見つけて一方的に押し売りするのではなく、顧客のニーズを的確に満たすことが重要であると、改めて実感させられました。

つづく

プロフィール

Branding & Design TOYPLOT 代表
ブランドデザイナー ホーリー 
1974年生まれ、大阪府出身。
デザインの専門学校を卒業後、数社の広告制作プロダクション勤務を経て、2010年3月独立。

TOYPLOTでは、企業のブランディング及び広告・デザイン制作のご依頼をいただいて活動しています。
これまで多くの広告制作に従事してきましたが、その過程でデザインだけでは解決できなかった課題も少なからずありました。制作したデザインで、クライアントの“想い”や“魅力”をお客さまに伝えきれているのか?と、もやもやとした思いを抱えていた時に出会ったのがブランディングでした。
これまで培ってきたデザインの経験とブランディングという戦略を武器に、“Branding & Design” で、顧客の成長とファンづくりをお手伝いします。

・ 一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 トレーナー資格取得
・ 一般財団法人 ブランド・マネージャー認定協会 1級資格取得
・ 一般社団法人ブランド・プランナー協会 2級資格取得
・ 公益社団法人 日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)会員

《 ブランディング・サービス 》
・企業のブランドストーリーをカタチに 「ものがたりブランディング®」
・ブランディング入門サービス「3ステップ・ミニマム ブランディング」
・ブランディング講座(入門コース/ベーシックコース)開催
・オンラインでのご相談も承ります。お気軽にメールにてご連絡ください。

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