多摩岡産業は、プラスチック加工品やプリント基板等の製造販売を行っています。「多品種小ロット」の受注を強みに、オーダーメイドの部品を製造しています。「小さな仕事でも全力で貢献する姿勢」を大切に、信頼を積み重ね、成長を遂げてきました。農業分野の拡大に伴い、営業社員を募集しています。代表の岡陽平さんに、仕事のやりがいや働きやすさのための施策などについてお伺いしました。
企業情報：多摩岡産業 株式会社
事業概要：ゴム・プラスチック・精密板金の加工販売、医療用具製造販売、電子機器、プリント基板の製造
住 所：府中市
代 表：岡 陽平
生活を支える縁の下の力持ちのような製造販売会社
多摩岡産業 株式会社は工業用部品や医療用品、商業用ディスプレイなど、プラスチック加工品や金属製品の製造と販売を行っています。発電所や電車の設備に使われる部品も手がけ、生活を支える縁の下の力持ちのような会社です。最近では農業分野でのプリント基板の製造に力を入れ、ますます発展を遂げています。
現在の代表取締役は3代目の岡陽平さん。祖父が商社として創業し、父親が工場を立ち上げ、3代目の岡社長が新しい分野を開拓することで、拡大してきました。
「樹脂加工の仕事をしていると、お客様から『今度はこういうものを作ってほしい』とお声がけいただきます。リクエストに応え続け、会社としてできることの幅が少しずつ広がってきました」。
会社の強みは、「多品種小ロット」の受注。多くの同業他社が小ロットの受注をしないなかで、多摩岡産業は小ロットでも自社工場で作れるものは受注し、短い納期でも対応することで、信頼を積み重ねてきました。多摩岡産業を信頼する企業は多く、大手電気メーカーや大手農業メーカーとも取引をしています。
大手企業との取引では、厳格な品質を守らなければいけません。求められている品質に忠実に応え続けるのは大変ではありますが、その実績が多摩岡産業の信用になり、新しいお取引につながっていると言います。さらに大手企業との取引により、安定した会社の経営にもつながっています。
やりがいはお客様のお困りごとを自社の技術で解決できること
手がける事業のなかでも、大手農業メーカーのプリント基板の製造が順調に成長しています。
「社内でプリント基板の知識を持つ社員が少ないため、今後の拡大を見込み、技術の知識を持っている方を歓迎しています。知識や経験が浅くても、入社後に研修があるので、意欲のある方もお待ちしています」。
営業の仕事内容は商談やご要望のヒアリング、納期交渉、納品、見積書作成などで、幅広く対応します。取引先企業は府中を中心に関東近郊にあることが多く、朝から夕方まで外回りの日もあります。まれに東北や九州への出張も。営業も担当している岡社長は、営業のやりがいを次のように語ります。
「やりがいは、お客さまのお困りごとを自社の技術で解決できることです。『納品が短くて助かった』『商品の品質が上がったよ』など、感謝や良い報告をいただくのが何よりも嬉しいです」。
小さな案件でもお客さまの立場に立ち、最善を尽くして取り組みます。
「できる限りのことを尽くして貢献すれば、信頼が積み重なり、小さな案件からでも、大きな案件を発注いただいたり、新規のお客さまをご紹介いただいたりすることもあるのです。ご紹介いただくとすぐにご挨拶に行くぐらい、とても嬉しいですね」。
企業理念は「創意・誠意・熱意」。お客様からのご要望が未経験分野であっても引き受け、期待に応えられるように対応してきました。岡社長が特に大切にしているのは、お客様に誠意を持って対応することだと語ります。
「お客様から質問が来たときは、すぐに回答すると喜ばれます。対応のスピードは誠実さを表すと思うので、大切にしています」。
そんな岡社長の小さな楽しみは、営業先の地域で美味しいご飯を食べること。お客様に教えてもらった美味しいお店を訪問したり、お客様が来社されたときに地域の評判のお店にお連れしたりするのが楽しみだと言います。
整理整頓を皮切りに社内変革し、よりパフォーマンスの高い企業へ成長
今でこそ、さまざまな分野の部品を手がけている多摩岡産業ですが、現在に至るまでは決して順風満帆ではありませんでした。
岡社長は子どもの頃から自社工場で工作遊びをしたり、学生時代に家業のアルバイトをしたりしていたため、会社を継ぐのが自然だと思っていたそう。テニスのインストラクターとして活動後に、家業の多摩岡産業に入社。技術の知識を身につけた後、約15年間、営業社員として従事しました。
「私が営業の仕事を始めた頃、先輩の営業社員が退職する事態が起こりました。教育係がおらず右も左もわからないなかで、仕事のノウハウを教えてくださったのは取引先企業の社員さんたちでした。仕事でもプライベートでもよく一緒に過ごし、私を育ててくれたのです」。
野球を通して、取引先企業と関係を構築していた時期もありました。大きな取引をしている取引先企業には野球を嗜む社員が多かったため、多摩岡産業も草野球チームを作ったのだとか。チーム名は、社名に入っている「岡」にちなんで「オーカーズ」。社内に野球ができる社員が2名しかいなかったため、取引先企業の社員も所属し、野球を通して交流を深めていきました（現在「オーカーズ」は活動休止中）。
会社の成長過程では、さまざまな困難に直面したと言います。
「恥ずかしながら、以前の工場内は決して綺麗な状態とは言えず、不要なもので散らかっていました。このままではいけないと、数人の社員が立ち上がり社内変革が始まったのです」。
はじめに外部の講師をお呼びし、整理整頓の大切さを社員に伝えました。「6S（整理・整頓・清掃・清潔・しつけ・安全）」というスローガンを掲げ、現在も社内で推奨されています。終業10分前に整理整頓を行う文化が根付いており、仕事場のどこを見ても掃除が行き届いている状態です。
整理整頓を皮切りに、教育制度や福利厚生の充実にも取り組み、社内変革を進めていきました。その結果、社員のパフォーマンスが上がり、会社として幅広い仕事に取り組めるようになりました。「新しい優秀な方を迎え入れ、さらにレベルの高い会社を目指していきたいです」と岡社長は意気込みます。
国家資格取得の支援や研修など、手厚い教育体制が魅力
多摩岡産業に入社した場合、手厚い教育と研修を受けられます。一人ひとりに合わせた教育プログラムが作成され、社員が丁寧に指導。ものづくりの会社のため、全社員が製造部門での研修からスタートし、ものづくりの仕組みや仕事内容を覚えます。
各部署に配属になった後も、全社員が対象の研修を定期的に行っております。内容は、新社会人向けのビジネスマナーや性格診断、整理整頓の心構え、管理者向けのマネジメント術、製造業の資格取得に向けた講座など。社員からは研修内容が業務で活きているという声が上がっています。
さらに国家資格の「機械検査技能士」の取得も支援しています。機械検査技能士は業界のなかで箔が付く資格。会社が受験費用を負担し、取得すると資格手当が付きます。
「社員には、人より先に立って物事を行い、模範となる『率先垂範（そっせんすいはん）』を目指してもらいたいです。困難な局面でも、前向きに建設的に対応することでお客様に貢献できると信じています。教育体制を整えることで社員のスキルアップになり、結果として会社もレベルアップするので、これからも教育や研修の体制を手厚くしていきます」。
プライベートと両立しやすい勤務体系も多摩岡産業の魅力。残業が少なく、定時帰宅の日も多いのだとか。さらに時間帯休暇が導入され、より融通の効く働き方ができるようになりました。例えば子どもの用事で2時間早く早退したい場合、以前までは半日休暇を取得するしかありませんでしたが、15時から休暇取得できるようになりました。実際に、子どもとの時間を大切にしたい方が多摩岡産業に転職した事例もあります。
定年を過ぎても正社員として働くことが可能です。最高74歳まで正社員として働かれた方もいます。
親睦目的のバーベキューや懇親会が年に数回開催されます。岡社長は社内の雰囲気を次のように表現します。
「当社は明るい人が多いです。職場の人間関係はとても良いので、安心してください」。
快適な生活を提供する、誇りを持てる仕事
多摩岡産業では製造の過程で、環境に配慮したリサイクル材を使用し始めています。またプラスチックの廃材をリサイクル業者に提供したり、NPO団体に寄付したりすることも。地元の子どもたちがプラスチックの廃材を使って工作をしているそうです。環境や地域へ配慮する姿勢が感じられるでしょう。
岡社長は今後の展望として、農業分野での拡大を強調します。
「現在我々が農業分野で手がけているのは、米の計測器や色彩選別機、フルーツの糖度計などに使われているプリント基板です。ゆくゆくは、農業分野の別の事業にも貢献していきたいです」。
最後に入社を検討している方へ、次のようなメッセージを語ってくれました。
「我々の仕事は、夢が大きいです。手がける部品は生活者が普段目にすることのない目立たない存在ですが、我々の部品が無ければ電車は動かず、発電もできないでしょう。縁の下の力持ちとして、生活を支えて、より快適な生活を提供していることに誇りを持っています。同じように、多摩岡産業での仕事に夢を持って働いていただける方との出会いを心待ちにしています」。